マドリッド 装飾美術館
住所 C/Mantalban,12 Madrid
電話 91 532 64 99


良い美術館だと前々から聞いていたので、
兼ねてから訪れたかった場所でした。
今回17年ぶりのマドリッド訪問で念願叶い
行って見てよかった場所でした。
散歩がてらに訪れてほっとするようなタイプの小さな美術館。
小さな館のなかは回廊式になっており
地下1階〜地上4階建て。
スペインの伝統的風俗・習慣から生まれた
第一級の職人たちによる工芸品が揃っています。

係の方に聞くと、フラッシュをたかなければ撮影可とのことで、
展示品からごくごくほんの少しですが写真をアップしてみます。
(かなり好みに偏っていますが・・動物ものばっかりで。)





スペインの国名はスペイン語で「エスパーニャ」といいます。
アラビア語が語源で、意味は「うさぎ」。
うさぎが沢山居る土地だから。

身近な生き物ゆえにスペインではうさぎを食べるし、
装飾にもたくさん登場します。



この色合い、いかにもスペイン!
これは「モンテリア」と呼ばれる自然風景の装飾のひとつになるのではないかと。描かれるのは身近な自然や動物達。


緑釉とマンガンの黒い線が特徴の装飾は、あきらかに「カリファル」といわれるアラビア時代の装飾。
おそらく南スペインからの出土では無いかと思います。



顔だけ天使の水差し。
知る限り珍しい柄だと思う。
日用品とは別の用途に使ったのか・・な?


聖水をいれる器いろいろ。
日常的、一般的に陶の活躍の場が
たくさんあるなあと思います。

同じ陶でもその使われ方によって
その国の文化が見えて来て興味深いです。



身近な動物や風習が絵柄に表れている
のはいずこの国も同じようです。
ゾウはアフリカが近いからでしょうか。
足踏みしている姿にリアリティがあるなぁ。

写真中央の擬人化した動物モチーフも
沢山見られます。
日本でも鳥獣戯画などがありますね。。

スペインの狼は激減しましたが現在も居ます。(北スペインで遠吠えなら聞きました。。)


用途は・・・
オリーブの種入れ?・・
だとしたら贅沢だ。

これは狛犬?とつい考えてしまいました。
南スペインの民家のかつての食卓を再現したのだそう。



照明が落としてあったので、
写真が悪くて残念。ラスター陶器の部屋。


頭痛がするほど繊細な装飾・・・。
ラスターは、スペインがアラビアに
征服された時代に伝わった技術です。




この美術館には陶器だけでなく室内装飾に使われるありとあらゆる
素材をつかった工芸品が所狭しと展示されています。
今回ここには陶器のものしか掲載しませんでしたが、
本当に見ごたえのあるたのしい美術館でした。

最後のおまけに陶芸以外の工芸品をひとつご紹介。
上は寄せ石のテーブル。石はすべて自然の色だそう。
物凄い技術の上で成り立つ装飾なのですが、
スペインのものっていつもどこか愛嬌があって
あたたかみを感じるように思います。



おしまい