出発前〜本屋で

カミ−ノを歩くにあたって購入したものは、寝袋、ホタテの貝殻(巡礼のシンボル)とカミ−ノのガイドブック。

ガイドブックはコルドバの本屋に買いに行った。
神田の古本屋街にありそうな古びた、けれど大きな店構えの本屋。
カミ−ノのガイドブックは案外いろいろ出版されていて迷った挙げ句に決めた一冊をレジに持って行くと店のおじさん『ああ!サンチャゴ巡礼するの?いいね。北スペインは本当に自然が素晴らしいところだよ』と声をかけてきた。『この店に日本人が来たのは初めてなんだ。店の前は良く通って行くんだけどね。いよいようちにも日本人のお客さんだ〜(笑)』なんて雑談がはじまった。

ふと見るとレジの前に古びた木の箱が置かれていて、その中に絵葉書にしてはもうちょっとしっかりした作りのカードが並んでいた。なにげに『このカードは何?』と聞いてみると、『お守りだよ』という。
『あなたの守護天使を探してあげるよ、誕生日は?』と聞くので『7月24日』と答えると、おじさんは沢山のカードの中から一枚を引き出した。どうやらそれが私の守護天使らしい。「Aithaiah」という名前の天使らしかった。カードには天使にお祈りするべき日付けと時間帯が書かれている。その時間どおりに祈ればすべての満足を手に入れると書かれてある。なんだか面白そうなのでそのカードもおまけに買ってみる事にした。巡礼が無事に終わりますようにと気休めだけどお守りだ。

店のおじさんが帰り際に『これね、そのカードに書かれている時間に毎日ちゃんと祈らないとあいつみたいになっちゃうからね。きをつけて。』ともう1人の店員さんを指差した。指されたもうひとりの店員さんが、にこっと笑うと前歯が5本ぐらい抜けてる!!顔にひどいかさぶたがあったのでどうしたのかな〜とは思っていたのだけど。なんかひどくぶつけたかころんだか。ひゃ〜。きっと私はそんなにちゃんとは祈らないと思う。。

結局迷信だろうと思いつつもしっかりその守護天使カードを巡礼に持って行きました。やっぱり祈らなかったけど、たまに取り出してながめたりしてた。これを見るとふっと意識がコルドバに戻った。でもこうして無事にもどって来れたのでちゃんと守ってくれていたのかも知れないなぁと思って、巡礼中に拾ってきた葉っぱと一緒に今も部屋に飾ってあります。