ピクニックの歌

巡礼の後半はパリから来てるクララ、マドリッドからのハビエルと一緒になる事が多く、歩きながらそれぞれの国の他愛ない話をしてた。

朝暗いうちから歩いてるので日が登り出すと通りすがりの村ではニワトリが半端じゃない程賑やかに鳴き出す。ニワトリはこんなにダイナミックでパワフル鳴くものなのか〜と都市部育ちの3人(私は東京)はいちいち感激してた。スぺインでニワトリの鳴き声は「キッキリキー」と言うらしい。フランスではなんて言ってたっけ?忘れちゃった。結局3人の審査の結果日本の「コケコッコ−」がいちばんニワトリの原語に近いと評価されたのでした。

他に思い出すのはそれぞれの国のピクニックの歌について話したとき。スぺインでピクニックの歌と言ったら私も何度か聞いた事がある「Vamos a contar mentira/皆で嘘をつこう」が定番。♪野うさぎは海を駆け、イワシは野山を泳ぐ、というような歌詞に何故かもの悲し気なメロディ。ハビエルは「これがなんでピクニックの歌なんだ〜全然楽しい気分にならないよぉ」と自分でつっこみをいれつつ歌っていた。私が歌ったのは「丘〜を越え行こーうよ口〜笛吹きつ〜つ」。おお、まさにピクニックらしい歌だ、足が元気に出る感じ、と言われた。クララがフランスのピクニックの歌と言って歌ったのは「ラ・マルセイエーズ」。フランスの国歌。クララが言うにはこれはフランス革命時の民衆軍の行進曲だったとのこと。歌詞はもちろんフランス語なので彼女が訳してくれたことには「自分の家族を守る為に進め、敵の汚れた血が私達の大地を満たすまで」と言ったような内容だった。国歌としてもなかなかすごいけどピクニックで歌うにはかなりすごい歌詞だ。今多くのフランス人が国歌の歌詞を変更したいと思っているとのことでした。

因みにハビエルは高等学校の哲学の先生(スぺインでは宗教と哲学が選択科目になっている)、クララはアンティック教会の修復専門の建築家(だから道中あらゆる所で出現した中世教会の解説は彼女におまかせでした。)。この2人とは付かず離れずで何となくサンチャゴまで一緒に旅してました。