JUEVES SANTO
聖木曜日
今年のセマナ・サンタで初めての雨。
パソ/お神輿の行列/プロセッションは中止となってしまいました。

雨の中パソが中止なのは分かっていたけれど、プロセッションが出発するはずだった
エルミタ教会へ行ってみたらペピにあえました。ペピはコーラス隊の仲間。
今日のパソの管理者でもあります。『とても残念だね・・』と声をかけたら
グリーンのまあるい目に涙をうかべていました。

そう。セマナ・サンタは天候に大きく左右される。
そして中止になるのはとてもつらいこと。
なぜならこの日の為に彼等は一年かけて
イマーヘンの修復、ブラスバンドの練習、
パソを担ぐ練習(目隠しして運ぶようなものなので
綿密な練習が必要なのです)、そして当日お神輿を飾る花々の準備
そしてそれらの資金を稼ぐためにこの一月以上週末は
クアルテリージョというバル(居酒屋兼喫茶店)を開いて
がんばってきたのですから。
それらがすべて文字どうり水の泡となってしまいました・・・。



皆ひとめパソをみようと教会へ詰め掛けます。

有罪の判決を下されたキリスト像。あとは自分の死期を待つのみです。
今年この教区でなくなった方がおられたようです。黒いリボン。


どう撮ってもキリストが切れてしまった。
ルネッサンス美術などでは”ピエタ”と呼ばれる
キリストを抱く悲しみのマリア像『アウグスティア』


マリアの顔の涙が白く反射してるのが分かるでしょうか。
スペインの教会彫刻はいかに生身の人間に近付けるかにかかっています。
木彫に彩色し、顔には
透明の涙の粒を光らせる。
こういうところが全く持ってテアトロ/劇場 だなと思う。


キリスト像横から。。お神輿台の彫刻も職人さんの仕事。
パソ、イマーヘン専門の彫刻家がいまでも活躍しています。
ある意味宗教の盛んなところでは芸術も盛んだと思う。


パソの正面についてるノッカー。
パソの先導者が、これをこんこんと叩いて合図をだし、
パソの中で担いでいる担ぎ手たちを誘導します。ノッカーの形もパソそれぞれで個性的。


これは教会内に置かれている像。羊飼いか巡礼者か?
像の前に天使が降り立った場面が再現されています。