日常の景色のなかで

地元の大好きなお店がまた一つなくなってしまう。

商店街の八百屋さんの奥がカフェになっています。
私はここが大好きで。
季節のお野菜を買わせて頂いたり、
季節のランチやフレッシュなジュースをいただいたりしてきました。
 
初めてこのお店ができたのを見た時、
心底『わあ!!』って思って、ほんとうに嬉しかった。

このお店は、
規格サイズより、おおきすぎたり小さすぎたりして
廃棄されるお野菜を救済する八百屋&カフェでした。
 
規格サイズっていうのは、
チェーン店のスーパーの規格サイズの棚に入るかどうか、
規格サイズのビニール袋に規定個数入るかどうか、で決められているそうだ。
そこからはずれる大きさのお野菜たちが大量に捨てられている。
 
私の地元は大根が名産なのだけど、
毎年おびただしい数の規格外サイズの大根が捨てられる。
それをみてもう黙っていられなくなったといって、
この八百屋&カフェを始めたのだとお店の方にオープン当初にお聞きした。
 
よく利用させてもらいました。
 
けれど、しばしばお客さんから、
野菜の種類が少ない、だとか
お野菜の入荷が偏ってる、だとか
(廃棄野菜が出た時とそうでないときに店頭に並ぶ品数が変わるので)、
地元のお客さんから、お店の人が言われているのを
割と何度も目撃しました。
  
そもそもの主旨が分かってないんだなあと思う。
店員さんたちはお話で伝えて下さるのだけど、
『それじゃあしかたがないのよね。』と言うお客さんもいる。
常に大型スーパーで買う様に、
一般的な八百屋さんで買う様に、お野菜を買いたいのだろうね。
 
私はお野菜は基本的に地元の農園さんで直接買うから、
いつも同じようにどの季節も安定的に買えるなんてありえなくて、
大型スーパーや、一般的な八百屋さんで並ぶお野菜が
いかに普通な状態でないかということは、
直接畑に行ってお野菜を買うようになってからよくわかった。
棚に野菜がすらり整頓されて並んでいるということがいかに異常なことかって。
 
この八百屋&カフェのお店の
ちゃんとコンセプトが分かる人に届けばいいのに、と思いながらも
採れたて新鮮のお野菜なんかは早くたくさんの人に売りたいのだろうからむずかしそう。
この時期の大根なんて本当にこの店の中あふれるほどに大根だらけになるから、
調理した保存のきく状態にしたものに店員さんが作って販売していたりしていたようなのだけど。
 
土日なんかは気候がいい時は、立地の良さも手伝って
観光客でカフェは満席のこともあった。
でも今日は、カフェにいたのは私ひとりだった。
 
私は通いの客だから
かいつまんで見えてきたその時々のことしかわからないけれど、
店長さん曰く今月末で店を辞めます、閉めます、とのことでした。

サラダボウルのランチを食べ終わったあと、
デザートが出てきたから驚いて『頼んでないんですけど。』というと、
『今日来てくださった方へのプレゼントのようなものです』と、店長さん。
 
こころからありがとうございました。
でもとても残念です。
思いが巡ります。
 

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