つれづれ ~点滴堂さん14日からの企画展

今日は冷え込みますね*
このタイミングで工房にストーブが入りました*
直火がよかったので様々検討した結果、
電源も乾電池もマッチすら必要なく点火ができるタイプの
石油ストーブにしました。
少しの火でこんなに温まるんだ***と、改めて感激。
炎、いつまでみつめていても飽きません。
天板に鉄瓶をかけて湧き水を沸かしたり、
農園さんのお芋を焼いたり、さっそく満喫しています。
 
おかげさまであたたかな工房で
今日は、次の点滴堂さんの企画展に
出させていただく食器たちのセレクトをしていました。

 
点滴堂さんで現在開催中の『冬空の贈りもの 2022』に続きまして、
12月14日(水)~12月25日(日)『星降る夜のクリスマス 2022』では
食器を中心に参加させていただきます。
食器をまとまった数ご覧いただける機会も
最近の私の活動では貴重な機会となっておりますので
ご興味ありましたら
どうぞよろしくお願い致します。
個人的に「星と海からのギフト」というテーマの
クリスマス☆セレクトで参ります*
 

点滴堂企画展『星降る夜のクリスマス・2022』
12月14日(水)~12月25日(日)
月・火定休
12:30~20:00
会場/点滴堂
東京都武蔵野市中町1-10-3 2階
tel.090-6796-5281
 

 
今日はおやつにキャロブケーキを焼きました*

刻んだプルーンとオレンジと胡桃が入ってます*
オレンジを皮ごと煮込んだソースをスポンジに染み込ませています*
農園さんのショウガで作っておいたジンジャエールの原液があったので
スポンジにはそれとキャロブのほどよいスパイシーな甘さで。
もっちもちのふっわふわの焼き上がりです***
 
直火の温かさが家の中にあると
温かいということだけでなく、
あたりまえのことではありますが
家の中にただようエネルギーの質までもががらりと変わりますね。
工房で使わない朝と夜の時間帯は、
ストーブを母屋に持って行ったら、
これまで電気エネルギーでなんとなく寒そうにしながら
体の動きも硬い感じで暖をとっていた両親が、
全然温かさが違うね~、と居間で気持ち的にまったりとしながらも、
行動力・活動力も上がっていてなんだかうれしい。
 
 
 

鳥つれづれ*点滴堂企画展より

 定休日開けまして明日からまた点滴堂さんの企画展、
「冬空の贈りもの 2022」会期の後半がはじまります。
 
改めまして現在出展中の作品より
鳥の指人形を
今日はご紹介させてくださいね。
 

私は物心ついた時からずっと身近に鳥と一緒に暮らしてきていて、
一番古い記憶はセキセイインコのつがいが家にいたこと。
それから黄色いセキセイインコが飛んできて仲間になり、
どこかから飛んできたジュウシマツを飼うことになったり、
初めて雛から育てたインコや文鳥たちがいたり・・
一度も家に鳥がいないということがなく、
30代のおわりまで様々な鳥たちと一緒に暮らしてきました。
鳥は家族と同じように思っています。
それにじっさい、犬猫よりも、鳥は人に近いように感じます。
(犬をはじめ他にもいろいろな動物を飼ったことありますが)
 
写真は雀を指にはめてみたところ。
スペインの窯元の町に住んでいた時、
そこはアンダルシア地方と呼ばれる南部だったのですが、
この地方で有名なセビージャ(日本では英語翻訳されてセビリアと
言われてるかもしれません)の町にある、アルカサルというお城に
何度か足を運びました。
アラビア式の城内にカフェがあって、
そこに集まる雀がとても人懐っこかったのを思い出します。
たいてい雀って警戒心が強い印象ですが、
アルカサルの雀はいすやテーブルの上に乗ってきて、
ともすれば、手からパンも食べてくれる。
パン目当てとはいえ、日本の町なかで
そんな風に間近に雀とたわむれることはなかったので
とてもうれしくてここのカフェには、友人も誘ったりして何度か行っています*
ちなみにスペインの雀は、日本のよりも体がちょっと大きめで、
日本の雀と柄は同じなのですが、
茶色の羽毛の部分が灰色がかった色をしていました。
いずれにしても雀、かわいいですよね。
写真の指人形は日本の雀です*
 

カラスとなるとわたしとしては神話の世界に思いをはせます。
カラスを神使のようにあつかう国は現代では少ないのでしょうか。
学生時代、
ある夏の暑い日に渋谷の松濤美術館に行く途中、
焼けたアスファルトの道でカラスが落鳥していました。
カラスをまぢかでみることもそれまであまりなかったのですが、
その羽色の美しさに思わず魅了されました。
『黒にはすべての色が入っている』といいますが、
まさにそれを体現していました。
つややかで、金も銀も入っていました。光も闇も。
きっとまだ魂が抜けてから間もないこともあるのでしょう。
まるで生きているかのようにあまりにうつくしいその死に体が、
あの陽光を浴びて艶やかに輝く羽色が、
記憶の中に鮮やかに残っています。
 
今回出展中の指人形の鳥たちには、
すべてラスター彩(虹彩)が施されています。
ですのでただ透明釉をかけただけではみられない、
なにかぴかぴか、つやつやとした感じ、感じられるでしょうか。
この時の何色と言えないようなカラスの羽色・鳥の羽色の美しさを、
このようにラスターを用いて作品に得たいと思ったのです。
 

日本の国鳥、キジ。
キジのオスをまぢかでみたことありますか?
信じられないくらい鮮やかで美しい鳥です。
こんな生き物が山の中に息づいているなんて・・・。
ひとはその土地に息づく自然の生き物たちの、
その美しさを、その存在の生命エネルギーを得たくて
肉食ということを始めました。
そういった神話が
世界各地に、神話としてのみならず、
古代からの民族的な風習としても残っています。
スペインの闘牛もそのひとつ。
(「闘牛」という言葉自体が、日本へは誤訳されたまま英語圏から
入ってきたので完全なる誤訳、残念この上ないのですが)、
これもまたイベリア半島で最も美しく勇猛な生き物のエネルギーを得る儀式であること、
これは地上に生きる命と魂の物語そのものであること、
闘牛士は神職と同等であること、
その太古の儀式が現代も脈々と受け継がれてきていることは
もしかしたら奇跡かもしれませんね。
(いま、先日おとずれた諏訪で脈々と行われてきた儀式のことをふと思いました)
日本のお相撲と闘牛はとても良く似ているとも言われています。
このことは
闘牛の本質を理解するうえでの一つのヒントになると思います。
 

鶏は、これはもう完全にイコール鳳凰ですね。
日本ではなぜ神社に鶏がいるのか、それをおもえば・・ですね。
この指人形では原種といわれるセキショクヤケイをモデルに作りました。
(鶏は神話にもとづいて語りだすと長くなるのでこのくらいで
ここではやめておきますね・笑)
 

こちらはガラパゴスペンギンです。
スペインに住む前に日本で習っていたスペイン語の先生方々の中で、
エクアドルの先生がおりました。
動物が大好きな私はガラパゴス諸島に子供のころから興味津々で、
同先生のクラスの中には実際に島に行ってきた人もいました。
お話によると、島では、人間が泊まることは許されておらず、
海上に停泊させた船で寝泊まりしながら毎日島に上陸して
自然の動植物や地形を見て歩いたとのこと。
島の動植物たちに触ってはいけないし、
靴底に付いた島の砂粒一つ、船内に持ち込んではいけない、
という決まりがあり、島自体がとても守られているそうです。
ですので、島の動物たちは人間を全く恐れておらず、
同じ生き物として興味津々に、
とくにこのガラパゴスペンギンは、
向こうから触ってくるので、
『島の動物に触ってはいけない』という決まりから、
人間の方がペンギンに触られないように逃げて回った、
というお話をうかがったことがあります*
 
エクアドルの先生は、
現地の家庭料理なども授業で実技で教えてくださるかたで
とてものんびりしたアットホームなクラスだったなあ、と思いだされます。
 

こちらはメキシコ系のインコ。
スヌーピーのようにあおむけになってお腹を丸出して寝ちゃってるのを
みたことがあり、この種のインコには普通のことのようで、
心もってかれました*
メキシコ系のインコをいつか飼いたいなあと昔は思っていましたが、
いまは身近にたくさんの野生の鳥たちがいる環境ですので
いつしかそんな思いも消えてしまいました。
それより・・もしかしたら、
最後に飼っていたオカメインコがなくなったとき、
当時日本で唯一だった鳥専門の病院の先生が、
一番最初に診ていただいたときに
『本当の鳥好きは鳥を飼ったりしません』
とおっしゃった言葉が心にささり、
そして私の魂が本当にそうだなあと深く感じたからかもしれません。
 

  
◆点滴堂企画展『冬空の贈りもの 2022』
11月30日(水)~12月11日(日)
月・火定休
12:30~20:00
会場/点滴堂
http://tentekido.info
東京都武蔵野市中町1-10-3 2階
tel.090-6796-5281
 
※作家の在廊はありません

 
~点滴堂ホームページより~
三鷹駅 北口 歩いて5分、
「点滴堂」はギャラリースペースのあるブックカフェ。
ちいさな店内にぎっしり詰まった書棚の古本は
すべて販売してます。
作品の展示を楽しみつつ。
お気に入りの1冊を選びながら。
おいしい珈琲紅茶をご賞味ください♪