メモ

『万里の波濤を星明り一つをたよりにして漕いでくる民族は
勇敢果敢 このうえもなきおそるべき民族であったことになる。
なにか一つでも心にたよるところがなければ
生きていくことが出来ぬ人間にあっては
無限の空間は まさに最も残酷な地獄であった。
これが須佐男命の背景にあった幻映に外ならない。』
真鍋大覚「儺の国の星」より

 

クリスマスつれづれ

スペインに住み始めた最初の年のクリスマス。
一番驚いたのが、
スペインの子ども達のところに
サンタクロースは来ないということ。
子ども達にプレゼントを持ってくるのは1月6日の東方の三賢者たち。
当時の私は、世界中の子どもたちがサンタクロースを待っているのかと思っていたので本当に驚きました。

そしてクリスマスの飾りに
クリスマスツリーというのは、スペインでは全くスタンダードではないと言うこと。
(ちなみにサンタクロースはクリスマスツリーの飾りのひとつだと一般的には認識されていました)

サンタクロースのモデルである、
セント・ニコラウスというトルコ人の物語は
スペインでも知られていましたが、
赤い衣装のサンタクロースはコカ・コーラの宣伝、と誰もが言っていました。
 
そしてクリスマスのごちそうと言えば
スペインではゆでた海老です。

『MAJOが外国の習慣だと思っていたことは、みんなアメリカの習慣だね。』とスペイン人の友人に言われました。
それとは気づかなくとも日本人にとっていかに未だにアメリカの影響が強いのかと言うことを思いました。

ちなみに今では大手デパートの宣伝効果もあり、特に都心部では
スペインでもサンタクロースが認知されるようになっているようです。
スペインのお父さんお母さんたちは、
12月24日と1月6日の両方とも
子どもたちにプレゼントを用意するのは
負担なので
デパート戦略に乗せられないように、
サンタクロースの存在を子ども達に
なるべく知られたくないと思っているようでした。
 
ちなみにスペインのクリスマスの飾りで
もっともポピュラーなのはベレンです。
ベレンとは、
まるで演劇舞台のようにキリストが生まれた場面を再現した箱庭のようなものです。
教会はもちろん、各家庭の家のなか、公共施設商業施設などにこのベレンが飾られます。
箱庭のなかに、ミニチュアの人形でイエスやマリアとヨセフ
そして馬小屋、羊や馬、馬小屋の回りの木々や小川、橋、遠くに三賢者や羊飼い等々、
クリスマスの日の出来事を聖書の物語の通りにセッティングしてクリスマスを祝います。
毎年少しずつ人形や小物を増やして行く楽しみもあります。
私は陶芸の町に住んでいたので、
クリスマスシーズンは、陶のそういったミニチュアを作っている工房もありました。

スペインの超スタンダードなクリスマスソングとベレンです。
https://youtu.be/spDW6nK8rGE