既存の時間の枠のそと

昨日で点滴堂さんの企画展『星降る夜のクリスマス2022』
終了いたしました。
今回も作品たちにご縁頂きました皆さま本当にありがとうございました。
 
ここ数年で、こと今年の1年間は、
わたしに見える世界、心身調和して活きている世界が
これまでと全く別物に変わって、
天地を結ぶ私の筒を通して生まれてくる作品も変わりました。
今回の点滴堂さんの企画展ではその新旧の作品を合わせまして
その過渡をご覧いただきましたように思っています。
今回の展示のみならず、2022年がそのような年だったように思います。
ちなみに旧がなにかマイナスの意味を持つようなものでは決してありませんが、
一つ言えるのは
今後旧作がみなさまの目にふれることはもうないかもしれないと思っています。
これまでの道のりを共に歩んできてくれた旧作品たちに深く感謝しつつ
お心かけてくださいましたみなさま本当にありがとうございました。
 
*
 
昨日は25日。
クリスマスでした。
どんな特別な1日だったのか
ちょっと振り返って書いてみようと思います。
 
企画展の最終日でしたので
点滴堂さんにメールで感謝とともにご連絡させていただいた日でした。
 
いつも仕事の合間の息抜きに行く近所の行きつけの
パンカフェの最終営業日でした。
夜中から窯焚きの予定でしたので夜食のスコーンを買い、
マスターの淹れる今年最後の珈琲を1杯いただいた日でした。
 
ぽつりぽつりと突然の雨を降らせ始めた雨雲が
古墳の王様の上を移動して開けた空には
細くうつくしい三日月が顕れた日でした。
(ひとつまえの記事の写真がそれですが不思議な感じに撮れました。虹?)
 
深夜にかけて作品一つ一つ丁寧に筆を置きながら
舞うようなこころもちで釉づけをして心満たされた日でした。
 
作品たちの顔をみながら
作品たちがどうしたいかを訊きながら
窯詰をして窯詰が終わり、
火入れをスタートしたとき、
心の奥から湧きあがるような
他に比べようのない幸せが湧きたちました。
これは、カミーノの巡礼中にただ一人荒野の中で
自分が大地の子だと心で理解した瞬間に湧きあがった歓喜と同じ本質のものでした。幸せです。
 
もう26日の明け方になっていましたが、
窯番を終えて、時間というものが本当は無いこと、
時間の中心にいるのは太陽でも月でもなく自分だということが、
体内の細胞レベルで確たるものになっていました。
 
大人っていいなあと思った日でした。
いろいろな経験や学びをしたうえですべて手放して
ただの子供に還れるから。
 
  
*おまけ
今朝配信されていた松村潔さんの動画(下リンク先)が、
ミンコフスキーの
・人が時間の中を歩く
・惑星に借りを返す
というお話をしていて、
まさに私が昨晩感じていたことの内容で
このあまりのタイミングの良さ。
 
“四次元意識の、時間から独立しよう。時間意識とは型共鳴。”
https://youtu.be/B_CZWQH5Q1U
 
 
 

メモ

『万里の波濤を星明り一つをたよりにして漕いでくる民族は
勇敢果敢 このうえもなきおそるべき民族であったことになる。
なにか一つでも心にたよるところがなければ
生きていくことが出来ぬ人間にあっては
無限の空間は まさに最も残酷な地獄であった。
これが須佐男命の背景にあった幻映に外ならない。』
真鍋大覚「儺の国の星」より

 

クリスマスつれづれ

スペインに住み始めた最初の年のクリスマス。
一番驚いたのが、
スペインの子ども達のところに
サンタクロースは来ないということ。
子ども達にプレゼントを持ってくるのは1月6日の東方の三賢者たち。
当時の私は、世界中の子どもたちがサンタクロースを待っているのかと思っていたので本当に驚きました。

そしてクリスマスの飾りに
クリスマスツリーというのは、スペインでは全くスタンダードではないと言うこと。
(ちなみにサンタクロースはクリスマスツリーの飾りのひとつだと一般的には認識されていました)

サンタクロースのモデルである、
セント・ニコラウスというトルコ人の物語は
スペインでも知られていましたが、
赤い衣装のサンタクロースはコカ・コーラの宣伝、と誰もが言っていました。
 
そしてクリスマスのごちそうと言えば
スペインではゆでた海老です。

『MAJOが外国の習慣だと思っていたことは、みんなアメリカの習慣だね。』とスペイン人の友人に言われました。
それとは気づかなくとも日本人にとっていかに未だにアメリカの影響が強いのかと言うことを思いました。

ちなみに今では大手デパートの宣伝効果もあり、特に都心部では
スペインでもサンタクロースが認知されるようになっているようです。
スペインのお父さんお母さんたちは、
12月24日と1月6日の両方とも
子どもたちにプレゼントを用意するのは
負担なので
デパート戦略に乗せられないように、
サンタクロースの存在を子ども達に
なるべく知られたくないと思っているようでした。
 
ちなみにスペインのクリスマスの飾りで
もっともポピュラーなのはベレンです。
ベレンとは、
まるで演劇舞台のようにキリストが生まれた場面を再現した箱庭のようなものです。
教会はもちろん、各家庭の家のなか、公共施設商業施設などにこのベレンが飾られます。
箱庭のなかに、ミニチュアの人形でイエスやマリアとヨセフ
そして馬小屋、羊や馬、馬小屋の回りの木々や小川、橋、遠くに三賢者や羊飼い等々、
クリスマスの日の出来事を聖書の物語の通りにセッティングしてクリスマスを祝います。
毎年少しずつ人形や小物を増やして行く楽しみもあります。
私は陶芸の町に住んでいたので、
クリスマスシーズンは、陶のそういったミニチュアを作っている工房もありました。

スペインの超スタンダードなクリスマスソングとベレンです。
https://youtu.be/spDW6nK8rGE