撚る

点滴堂さんの企画展『兎迷宮 月読』に出展中の「掌中うさぎ 薬玉」。
 
「薬玉(くすだま)」とは心に降りてきた言葉でしたが、
後で調べてみれば
お祝いのときなどに二つに割って用いるくす玉の語源でした。
平安時代の頃より、まよけやお守りとされていた
薬草をまるめた玉が元々だったようです。
 
掌中うさぎは、
『丸めた土=薬玉 身に付ける』とメッセージがきていたので、
そのように仕上げました。

ちょこんと掌(てのひら)の中におさまる純金彩の兎のペンダントです。
 

紐の左右結び目をスライドすることで、長さを調節することができます。

紐は、専門の農家さんよりお分けいただいた精麻を撚りました。

「掌中うさぎ 薬玉」の下に敷いてある植物が撚る前の精麻です。

精麻を紐に撚(よ)るときには、
左右ふたつにより分けた精麻を
少し湿らせてから手で一本に撚っていきます。
この掌中うさぎの紐を湿らすのに使わせていただいたお水は、
巫女舞の方が、この夏に大宮の氷川神社主催の元境内池上での
七夕のご奉納舞をされたときに生まれた「みなもとのしずく」と命名された
七夕のエッセンスをお分けいただいたものと、
私がいつも山で汲ませていただいているヤマトタケルの湧き水を合わせて
精麻にスプレーをして湿らせながら撚りました。
 
このみなもとのしずくの七夕のエッセンスを手に取ったとき、
つつつつ・・と左右から寄り合うエネルギーが真ん中でひとつになり
滝のように一筋になって流れ落ちるビジョンが視えました。
いつも巫女舞の方がおつくりになるエッセンスには
それぞれその時々の祈り(=高い振動)のエネルギーが宿りますが
この七夕のエッセンスはまさに精麻を撚るのにふさわしい
二つに分かれたものが一つに統合されるエネルギーでした。
まさに、七夕の織姫と彦星のようですね。
 
巫女舞の方よりご許可をいただきましたので
上記致しました七夕の時の池上でのご奉納舞の眼福のお写真、
幾枚か掲載させていただきますね。

 
余談となりますが、
この舞のときにご神事の内容に沿った土の冠がご要り用とのことでしたので
5月の神戸での個展のときに出展しておりました冠が丁度ぴたりときて、
写真のように巫女舞の方の頭上にお付けいただくことになりました。
冠を付ける際の撚り紐も精麻でおつくりさせていただいています。

撚られた精麻は龍のよう。

 
・・・このように
「掌中うさぎ 薬玉」の撚り紐には、
分かたれていたものをひとつに合わせる、そんな物語があるのでした。
 
そしてこの作品にはお箱をお付けしたいと心に浮かびましたので、
老舗の職人さんにおつくりいただいた桐箱に納めましたら
「一番身近な鎮守の杜」という風情にしっくりと落ち着き、
とても清涼な、浄化のちからのあるものざねとなりました。

ちいさなペンダントの作品ですが、
森羅万象たくさんのご縁から祝福されて生まれてきました。
土は私の地元の親しい、海を見下ろす桜山の自然の陶土を使っています。
ぜひ胸の真ん中にさげていただきたいと思います。
10月1日まで開催の点滴堂企画展『兎迷宮 月読』にてご覧いただけます。
立体的なものを写真でお伝えするのはとても難しく
多面的なエネルギーそして光源による印象の変化、
ぜひ会場にてご覧いただけたらと思っています*
 
また、巫女舞の方とは、10月29日(日)の満月の日に
逗子の海の傍のお茶室にて素敵な茶会を開くことになりました。
わたしの作るうつわと親和性の高いみなもとのしずくエッセンスを用いた
ワークや、
なかなかお聴きできないようなお話をお聞かせ下さることとも思い、
貴重な機会ですのでわたしもとてもたのしみです。
どなたでもご参加できますので
詳細決まりましたらおぼえがきにてお知らせさせて下さいね。
日程は上記と決まっておりますのでぜひあけておいてください*
 
長い文章となってしまいましたが
最後までお読みくださってありがとうございます*
 
◆点滴堂企画展
『兎迷宮・月読』
9月20日(水)~10月1日(日)
12:30-20:00 月・火曜定休
会場 東京都武蔵野市中町 1-10-3 2F
TEL 090-6796-5281
http://tentekido.info

◆点滴堂さんHPより◆
三鷹駅 北口 歩いて5分、
「点滴堂」はギャラリースペースのあるブックカフェ。
ちいさな店内にぎっしり詰まった書棚の古本はすべて販売してます。
作品の展示を楽しみつつ。
お気に入りの1冊を選びながら。
おいしい珈琲・紅茶をご賞味ください♪