変容

写真は昨日にひきつづき釉付けをしているところです。
 
釉薬の原料は鉱物だったり植物だったりしますが、
最初に1230℃以上で溶かすとちょうどよい釉を筆付けして一度焼成して溶かし込み、
さらにそれよりも低温1000℃前後でほどよく溶ける釉を
写真では筆付けしています。
わたしの作品の場合は、釉ごとの最適な溶ける温度に合わせたいので、
なんども釉を重ねて、なんども焼成を重ねて
完成に近づけていきます。
 
釉薬はすべて筆でひとつひとつ絵柄に合わせて重ねて付けており、
溶け具合と重ねる厚みをみながら釉をつけていく様子と加減は
たんなる釉づけというよりも、絵を描くことと同じ感覚です。
 
ただし陶芸は釉付けの後、窯で焼成することにより
工程の中で最も大きな変容を遂げますから、
制作のすべてはその人智を超える炉内での変容を見越しての
直感と経験を統合させた作業になります。
 
最近は
焼成温度も数値で降りてくるようになりましたので、
経験よりも心のうちに降りてくることを最優先にして制作します。
筆を使うこと、道具を使うことはこれまでの技術と経験の集大成でもありますが、
直感的なことは、今度は逆に経験や技術がじゃまをしないよう、
素にもどり
自然からのメッセージを受け止められる心身の状態を大切にします。
そうすることで
これまで見たこともないようなものが炉内から顕れるのを
これまで何度も目の当たりにしました。
そうやって土が
このように変容を遂げて生まれでた喜びを
わたしも土と共有して嬉しく思うのです。
 
水、火、土、鉱物、植物、
すべてが根源的な密度の高いエネルギー世界の中で起こっていて
それを最終的に目に見える形に顕現されたものがここにあります。
そうやってみなさまに誕生のエネルギーそのものをお渡しできるのです。

誕生は星の影響を受けていると思っている方が多いかもしれませんが、
実際には逆で
誕生のエネルギーは、
天体をも押すような膨大な宇宙的なエネルギーの集大成です。
 
ここおぼえがきになんども記させていただいていますが、
『誕生のエネルギーと幸せな幼年期』
それを顕現するためにわたしはこの大地に生まれてきました。
つちとうた。
それがすべてにつながって
いま日常を生きているなあと感じています。
 
今日の写真の作品たちは現在炉内で温度の下がり待ちです。
窯だしが無事できたら、最終工程の純金彩に入ります。
いよいよ制作も佳境となってまいりました。
 
20日からはじまる三鷹の点滴堂さんでの企画展にむけて。
 
 
◆点滴堂企画展
『兎迷宮・月読』
9月20日(水)~10月1日(日)
12:30-20:00 月・火曜定休
会場 東京都武蔵野市中町 1-10-3 2F
TEL 090-6796-5281
http://tentekido.info

◆点滴堂さんHPより◆
三鷹駅 北口 歩いて5分、
「点滴堂」はギャラリースペースのあるブックカフェ。
ちいさな店内にぎっしり詰まった書棚の古本はすべて販売してます。
作品の展示を楽しみつつ。
お気に入りの1冊を選びながら。
おいしい珈琲・紅茶をご賞味ください♪