『This is the moment』

 
ミュージカル「ジキル&ハイド」挿入歌より
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This is the moment This is the day
この心に秘めた想い
 
This is the moment
解き放ち
新しく生まれ変わる
 
今 この日 この時 この瞬間
はじめて知った
Give me this moment
This moment ous moment
偽わらずに 生きてゆこう
 
今までの 全ての
悲しみも苦しみも終わる
自分を取り戻そう 本当の自分を
 
誰もが 明日に迷い
行くあてなく ただ嘆くだけなら
 
This is the moment This is the day
この心縛る鎖捨て
その時はじめて
 愛しあう意味を知るだろう
 
This is the moment This is the day
飾らずに真実の姿 誰もが認め合えば
この星に息づいた 意味を知るだろう
 
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ミュージカルが大好きで(オペラと歌舞伎も含む)
1987年の「レ・ミゼラブル」日本初演にドはまりをして以来、
さまざまなミュージカルを観たくて
長年に渡り足繁く劇場に通っていたのですが
近年しばし足が遠のいております。
 
 
ブロードウェイでヒットしたミュージカル「ジキル&ハイド」。
日本では鹿賀丈史さん主演で上演されたものを観に行っていて、
初演のときはあまりに物語が殺伐としていて
なんとも・・な気持ちになったけれど、
鹿賀さんfinal公演では心理描写が段違いに深くなっており
初演時とはまるで別の作品となっており・・
同じ脚本と演出、歌でも、そして同じ役者でも、
その時々でまったく別の作品となることは
舞台では何度も経験していることではあるけれど、
このfinalの「ジキル&ハイド」は本当に素晴らしかった。。
切なかった。。
 
この鹿賀さんの主演の「ジキル&ハイド」を観て
心理描写の深さと繊細さに感激したブロードウェイの演出家が
鹿賀丈史のために作ったミュージカルが
「シラノ」(シラノ・ド・ベルジュラックのミュージカル版)で、
こちらも初演時に観に行っています。
 
 
「ジキル&ハイド」の挿入歌
『This is the moment』にお話し戻します。
劇中ではジキルが心押しつぶされそうな常識を振り切って
狂気の世界に足を踏み込む決断を下す
人生ぎりぎりの場面に歌われる歌で、
旋律のすがすがしさとは裏腹に
精神が分離し闇に落ちてゆくわけなのですが。。
 
 
この歌をもっと広い視野でとらえて
作り直しよみがえらせた宝塚版が個人的には歌としては好きです。
もう25年ほど前になるのでしょうか、
姿月あさとさんの舞台、何度も観に行きました。
友人たちの素敵なサポートにより運よく観劇することができた
退団公演の時のさよならショーでもこの歌が歌われました。
 
それももう何十年も前のことですが
この宝塚版の歌詞、
まるで今のことをも歌っているかのようです。
いまでも好きな歌です。
誰もがジキル&ハイドなのかもしれない。
そして陰と陽、表と裏の統合のとき。
 
 
『This is the moment』
作詞:Leslie Bricusse・Frank Wildhorn・日本語詞:荻田浩一
作曲:Leslie Bricusse・Frank Wildhorn
 
 

つれづれ

地元和菓子屋さんの店頭で
金髪白人系のかたが店員さんに
『水羊羹、何日持ちますか?』と
日本語で訊いていた。
 
わたしがスペイン語を習ったスペイン人の先生は、
民族学と言語学の専門家だったのだけど
日本人は外国人を見ると英語で話しかけてくる事に対して、
『英語わからないから、日本語で言って。』と応えてた。
普通の文庫本の小説を日本人と同じスピードで読む先生は、
近松門左衛門とシェイクスピアの時代性を含む類似点を指摘されたり、
とにかくスペイン語の授業が、活きた語学と文化の授業であった。
『本物の国際化や文化交流というのは
みんなが英語を話すことではなく、
訪問者が、訪れた国の言葉を話すことだ。』と言ってたけど、
言葉を介さないで通じる世界があることはまた別の話として、
国際陶芸文化交流でスペインに住んでいたわたしの実体験からも先生が仰っていたことは本当のことだと思ってる。