メモ

真鍋大覚著「儺の國の星」より
 
Minerva[ミネルバ]は元来は金工の技芸の神であったが
やがては一般に染色織物の神にも祭られて
女人はこれを拝み 己の手の上がるを祈った。
こゝに織女の遠い祖先の一つの姿を見直すことが出来る。
西海では昔から
皆形[みなかた] 御名方[みなかた]などと崇められていたから
Minerva[ミネルバ]の倭名であったかもしれない。
 
有明海の民族は夏場に蹈鞴[たたら]を溶かす。
仕事の上首尾を祈る対象が外ならぬ織女であった。
Vega[ベガ]は西域の鷹であったが
風を司る神でもあったことが
蹈鞴の出来ぐあいが
総て南風にたよらざるを得ぬ工人の嘆きでもあったからである。
 
*
 
[ミネルバ Minerva]
ギリシア神話のアテネと同一視されたローマ神話の女神。
元来はエトルリアの神で、その後ラテン民族の神となり、
ユピテル、ユノとともにローマのカピトリウム丘上に祀(まつ)られた。
ミネルバの祭日は3月19日で、クインクァトルスとよばれた。
アテネと同じく、技術と工芸をつかさどる神格として職人に崇拝された。
知的活動、とくに学業にも関与し、また帝政期には医療の神としても信仰された。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)


 

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