天草陶石 ~「薔薇と銀河とユニコーン」

 
こちらも少し懐かしいシリーズです。
天草陶石という磁土が手に入り、
その当時はこういったブローチを色々制作いたしました。
輝石はスワロフスキークリスタルです。
  
磁器と陶器のちがいは一般的に言われているように
石の粉を練ったものが磁器
土を練ったものが陶器
になります。
 
かつて中国の磁器を持つことは
ヨーロッパの王侯貴族のステイタスで、
王城の中にはコレクションした磁器を
陳列するための磁器の部屋を特別に造ったりしています。
 
 
日本ではあまり磁土は採掘されておらず、
瀬戸と天草が日本の代表的な二大産地となります。
 
わたしの父方は代々の瀬戸の窯元で、
祖父の工房では磁土も陶土も扱っていたようです。
 
磁土はより白い土が好まれており、
そういう意味では天草陶石の方が
コレクターの意に叶っていたため高値で取引されています。
 
そんな高品質の天草陶石がふっと手に入ったタイミングがあって
磁土はろくろでの制作に向いているものなので、
造形をするには扱いも難しいのですが、
このユニコーンのブローチも(裏話になりますが)
やはり立体的になっている角の部分が、
焼き上がってみれば、いくつも割れてしまっていて
そのなかで綺麗に焼きあがったもののみが
皆様の目に触れています。
 
 
磁器を扱う作家と
陶器を扱う作家とでは
気質も違うといわれています。
(じっさい磁器作家の旦那さんと
陶芸作家の奥さんのご夫婦を知っているのですが)
磁器の方は、
工房内を歩いたときに舞う埃ですら
焼きあがりに影響が出るので細心の注意が必要です。
細心の心配りがあるからこそ、
焼きあがってきたものに繊細さと透明感が宿ります。
 
陶土の方は(私は陶土を扱っているのですが)
私のイメージでは
何でも呑みこんで昇華してしまうような
ダイレクトな大地の強さ感じます。
 
 
(写真のユニコーンのブローチは点滴堂さんに現在出展中。)
 
 
◆点滴堂企画展『薔薇と銀河とユニコーン』
 
会期/11月25日(水)~12月5日(日) ※月・火定休
12時半~20時
 
会場/BOOKS & GALLERY cafe 点滴堂
東京都武蔵野市中町1-10-3 2階
tel. 090-6796-5281
JR三鷹駅より徒歩5分

 
点滴堂さんofficialサイトより
http://tentekido.info
三鷹駅 北口 歩いて5分、
「点滴堂」はギャラリースペースのあるブックカフェ。
ちいさな店内にぎっしり詰まった書棚の古本はすべて販売してます。
作品の展示を楽しみつつ。
お気に入りの1冊を選びながら。
おいしい珈琲をご賞味ください♪