今回の企画展のタイトルテーマを受けて
懐かしい小さな作品たちも数点ですが出展させて頂いています。
いっちん技法の小皿。
これを作ったのはもうかなり前になります。
手元にあった最後の一枚を出展させて頂きました。
いっちん技法は、もともと布の染色に使われていた技法を
陶芸に転用したものとも言われていますが、
はっきりとした「いっちん」ということばの語源や
技法の流れはよくわかっていないそうです。
いっちんとは、
クリーム状に柔らかく溶いた土を柿渋で防水した紙に包んで、
ケーキの生クリームのデコレーションのように
立体的に絞り出しした装飾技法です。
現代では柿渋の紙を使うことは少なくなり、
ゴム製の洋ナシ型をした大きなスポイトのような
専用の 道具を使います。
この道具、スペインの窯元でも「pela洋ナシ」という名前で
使っていました。
スペインのいっちん技法は
スペイン全土がイスラム圏に征服されていた中世の
アル・アンダルース時代にも存在していました。
それを現代も受け継いでいる感じです。
トルコの民芸品にも見事ないっちん技法のうつわが
お土産屋さんで今も容易に見つけられます。
やはりオスマン帝国を誇ったトルコ辺りから技法として発祥し
世界に広まったのでしょうか?
*
この小皿の作品では
いっちん技法でつぶつぶを一粒ずつ付けています。
ユニコーンと月は純金彩です。
いっちん。
不思議な響きの言葉。
いったいどこからやってきたのでしょうね。
アル・アンダルースの夢の名残り。
いとおかし。
◆点滴堂企画展『薔薇と銀河とユニコーン』
会期/11月25日(水)~12月5日(日) ※月・火定休
12時半~20時
会場/BOOKS & GALLERY cafe 点滴堂
東京都武蔵野市中町1-10-3 2階
tel. 090-6796-5281
JR三鷹駅より徒歩5分
点滴堂さんofficialサイトより
http://tentekido.info
三鷹駅 北口 歩いて5分、
「点滴堂」はギャラリースペースのあるブックカフェ。
ちいさな店内にぎっしり詰まった書棚の古本はすべて販売してます。
作品の展示を楽しみつつ。
お気に入りの1冊を選びながら。
おいしい珈琲をご賞味ください♪