ありがとうございました。

2021年の窯出し市無事に終了いたしました。
多くの方にご訪問頂き、
そして作品達にご縁頂きまして心から感謝申し上げます。
 
陶芸を仕事として初めてから27年になりますが、
長い事変わらず応援して下さる方、
作品を瞬時に深くご理解下さって応援くださる方、
とても大切な方々に支えられての今年の窯出し市となりました。
 
2年前に9月の台風で被災した際、
丁度その後の窯出し市でご購入下さいましたこと、
あの時は今思えば呆然としていたこともあり何も記せませんでしたが、
実はあの時ほど、
正直言いまして身に染みて作品をご購入下さる方々の応援に
助けられたという実感の強さを感じたことはありませんでした。
あの時に応援くださった方々が今年も作品をご購入くださっています。。
改めましてあの時は本当に助けられました。ありがとうございました。。
 
 
そしてあれから2年が経ち、
特に今年は緋色のうつわシリーズがこの世に誕生し、
これもまたこれまでにない私の作陶に於いての体験を致しました。
 
どうやったらこのような顕れになるのか、
私個人には全く分からず、
ただただ降りて来るがまま
焼成温度までも数値で示されましたので、
経験や知識に頼らず
そのとおりの工程を踏んで生まれてきたものでした。
工程は複雑でしたが、新しい原料を購入することは一切なく、
工程の手順や組み合わせ、焼成温度の変化によって
これまでと全く違ったエネルギーを纏ったものが生まれることを
緋色のうつわシリーズによって教えられました。
  
緋色のうつわたちを初めて窯出した際の事は一生忘れないでしょう。
よくぞこの世界に顕現してくれた、という喜びで胸がいっぱいになり、
窯から出す作品一つ一つを胸にぎゅうと抱きしめずにはいられなくなり、
一つ一つ丁寧にそのように致しました。
あらゆる意味での遠いところからここへやってきてくれた
ありがとうという感謝しかありませんでした。
 
 
そしてこの瞬間以降、
制作いたしました作品は明らかにエネルギーが変わり、
より明確になった、といいますか、
そういった作品群での今年の窯出し市となりました。
 
作品をお迎えくださった皆様が、
その後お写真を送って下さったり、
丁寧なメールをくださったり、
おかげさまで
繊細に光り輝く粒子に満ち満ちた世界の循環の中に居ります。
 
ほんとうにありがとうございました。
そしてどなたさまも素敵な次の世界をお迎えできたらと願います。
 
 

『緋色のうつわ ~神楽耶 マリヤ』 陶土 純金・純銀彩