セマナサンタ真っ只中

写真はスペインの私の故郷のセマナサンタ月曜日のお神輿より。
 
スペインカトリックに於いてクリスマスよりなにより最重要事項である
セマナサンタが先週末日曜日より始まりました。
この宗教的なお祭りは4月9日、次の日曜日まで毎日続きます。
 
semana santa/セマナサンタは
とくに南スペインで熱い伝統として今も生き続けています。
イエス・キリストのエルサレム到着から復活までの一週間を
毎晩お神輿の立体絵巻として語り継ぐ宗教的なお祭りです。

私が20代のときに初めてスペインに
約ひと月間のバックパック旅行したのも
偶然セマナサンタの時期でした。(いまやこれも偶然ではなかったと思っていますが)
その後、スペインに住むようになり、よりぐっと身近になったセマナサンタは、
私が住んでいた南スペインの村では、
イエスの復活よりも
磔刑までの行程(イエスのパッション/受難)に
重点が置かれていることが一目瞭然でした。
ですから、
英語圏の国のようにこのお祭りを「復活祭」と呼ぶには違和感がありました。
 
ところが。
去年のセマナサンタの毎年公的機関より発刊される冊子の表紙が、
この村で圧倒的な人気を誇る「ナザレーノ」と呼ばれる金曜日に運ばれるお神輿ではなく、
最終日曜日の復活の場面のキリスト像のお神輿のイメージであったこと。
これにはちょっと驚きました。
イエス復活の場面のお神輿に手が加わりより愛が深まっていました。
キリスト教世界のみならず、可視不可視すべての世の変化と
はからずも連動しているかのように感じられる出来事でした。
 
宗教というものによって意図的に分断されてきたものを取り払い
よりピュアな目で見てみると、いま世界で何が起きているのか、
今年のセマナサンタからも見えてくるかもしれません。
 
一昨日、スペインの友人から今年のセマナサンタの実況動画と写真が送られてきました。
ちょうどイエスがロバに乗ってエルサレムに到着する場面です。
今日は火曜日で、
イエスの死の予告をイメージしたスピリチュアルなお神輿が担がれる日です。
この一週間、スペインの友人からの報告でまたなにか感じ取れるところがあったら、おぼえがきするかもしれません。
 
セマナサンタの基本情報の一助として
2004年スペイン在住時のセマナサンタの記録を貼っておきます。
http://majo.moo.jp/foto/reportaje/04samanasanta/04samanasanta.html
2004年当時の私の、ほんとうにつたないながらも初々しい受け止めが、
今読むと恥ずかしくもあり・・の内容で、
認識不足などお見苦しい点も多々あるかと思いますが、
あえてその臨場感のままに貼っておきます。
近年は世界線で世の動向を見てきた視点から、
日本にこれが関係がないとは
もはや言えなくなっている感が自分の内にあります。
 
セマナサンタの始まる前には、
徹底的に家の中を掃除し、
町の通路という通路がお香で村中が浄められます。
とくに四つ辻は「サエタ」という神にささげる即興の歌
(神へのこの一年間の報告のような内容)がうたわれるので
特別な場所になります。
 
そしていよいよ最初の日曜日
(毎年満月から逆算するので日程がずれます。
今年は先週末の日曜日スタートです)
この田舎の陶芸の村が丸ごとぎゅいんと宇宙船にでも変容したかのような浮遊感覚。
これは何度もこの村で経験していますが、
異空間にいるような・・いつも必ずそうなります。
不思議な感覚です。
しかも私だけでなく村の人々も同じ感覚を共有しており、
幽玄世界のなかで共通意識を持てたのも
このセマナサンタが私の経験の中で初めてのことでした。
上記リンク先の最終日の記事にも書いていますが、
大地の鎮魂、やはりこれは大地との繋がりのお祭りであることが、
当時の実況からもうかがえます。
大地と深く繋がり
(最大のもので約1トン近いお神輿を皆で担いで最長9時間すり足で町中を巡る)
大地とより深くつながることで『超える』。
もとこのスペインの村の住民の私が言いますが、
一年かけてこの聖なる一週間/セマナサンタを
皆でこつこつ準備して、満を持して迎える、といっても過言ではありません。
スペイン各地の多くで失われてしまったこの伝統習慣が
この村では残っていました。稀有なことです。
たまたま陶芸を仕事としていたから、私はこの村に住むことができましたし、
信者でも何でもないのに、
このお祭りに聖歌隊のメンバーとして参加させていただきました。
こういった経験をさせてくださった
不思議なご縁とサポートに感謝しかありません。この村でうたうことは、私の感謝の印でした。
 
今年もいま現在この大切な生まれ変わりの一週間のただなかにいます。
私のスペインの故郷の友人の一人は今エルサレムにいます。
思い様々巡ります。