ヒルコの進化形

窯から出ました。


六甲山の向津峰の磐座を経て
アラハバキや諏訪の湧水や縄文の郷に結びついたヒルコが
わたしが土からお作りするものに姿を顕したのは、
遡って思えば2年ほど前が最初でしょうか。
今回初めて
そのヒルコがこれまでとことなる、
いわば進化した姿を見せてくれたと感じました。
 
今年に入って
ことに5月の神戸での個展以降、
「杯」のワードが降りてくるようになり
この秋には「杯」は「星」であることを教えてくれました。
そしていま今日の窯出しで、
ようやくこの地球の悲願であったゼロポイントから反転が起きたことを
ヒルコたちの世界から伝えてくれました。
 
いまはヒルコのエネルギーは、
諏訪の森の奥の泉の前で視た、
紗のかかった虹のちび竜たちの姿で視えています。
新しいちび竜たちの誕生。
今回の窯のふたを開けた途端、
やさしいベビーピンクの化粧土のうぶぎにふんわり包まれるようにして
虹彩のちび竜のエネルギーの杯たちが並んでいるのを見て
思わず笑顔がこぼれました。
胎土の土らしい手触り(これは母なる地球の形見)も失われておらず
使い込めば込むほどこの杯の良さが引き立つ
ゼロポイント・素のままのうぶうぶしいうつわ。
まさにイノセントでした。
 
正直これがうまく焼けなかったら陶芸をやめようかなとふと思っていました。
今回の杯のために降りてきた数値=焼成温度があり、
その数値のまま焼成しましたから、
既存・規定のマニュアルと異なる焼き方でうまく焼けるかどうかは
今日窯出しするまでわかりませんでした。
わたしにとってもゼロポイントへ還る「ウケイ」のような杯でした。
・・どうやら新しいパラレルでも土のお仕事をつづけられそうです。

岩茶をそそぐのがとてもたのしみです。

奇しくも今回使用したラスター(虹彩)釉は、
わたしが仕事として陶芸を始めた30年近く前から長らく使用していたもので、
ここにきて久々に使用しました。
しかし以前とは明らかに異なる
原料との向き合いかた、施釉の方法、
舞う手つきでの優しい地球を両手で包むような
そんなエネルギーでの釉掛けそのままに、
柔らかく慈愛にあふれたとても高い振動の杯たちだと
窯出しのときにひとめでわかりました。
ほんとうにうれしかった。。
 
「イノセント」そのものでもあり
穏やかな喜びに満ちた
懐かしくも新しいうつわたちとの出会いが今日の窯出しでした。
 
まもなく満つる月が王様の古墳の山のむこうから登り始めていました。

 
 
今回の茶会瞑想、テーマはイノセント。
ご参加のお申し込みはメールにてお願いいたします。
majo@bv.moo.jp
お申し込みいただいた方に詳細をお送りしております。